tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

動くか金融政策

2017年11月26日 15時03分20秒 | 経済
動くか金融政策
  マイナス金利の導入以降、金融政策の行き詰まりが次第に見えて来ましたが、インフレ目標2%を掲げて異次元金融緩和を続けると言ってきた黒田総裁が、海外で「リバーサル・レート」に言及し、日銀の金融政策が動くかと取り沙汰されています。

 アメリカのEUも、慎重ながらも利上げの方向に踏み切り、日本だけが金融緩和継続という事で、誰しも「何時かは」と考えるのが当然ですが、その意味で黒田総裁の発言は反響を呼んでいます。
 但し、アメリカやドイツという外国での発言で、しかもあまり使われない「リバーサル・レート」などと言う解り易くない言葉を使っているのが現状です。

 確かに「リバーサル・レート」などと言っても解りにくいですが、つまりは、金利を下げ過ぎると銀行の利ザヤがなくなり、収益が低下して動きが取れなくなる、低金利が長くなるほどひどくなる、折角金融を緩めているのに、銀行が収益低下で動けなくなって、預金・貸金という銀行本来の仕事(金融仲介業務)に支障をきたす。そうなるような低金利の水準が「リバーサル・レート」(逆転金利水準)という事でしょうか。

 「 利益減少、銀行どうする」と書きましたが、普通に考えれば誰でもわかることでしょう。安倍総理と黒田総裁がどこまで意見一致なのかわかりませんが、金融緩和さえすればいいというような異常な緩和論者が政策委員に入ってきて、黒田さんも、これ以上やったら副作用が怖い、と考えたのでしょうか。

 しかし、異次元金融緩和継続で円高を阻止し、その効果もあって株高が進んでいる状態に、もしかしたら、マイナスの影響があるかもしれないという観測もありうるでしょう。

 その辺りは現政権が最も恐れるところかもしれません。しかし、株価というのは無理してあげても、何時かは反動が来る(かつてのバブル崩壊の様に)ものですから、日本経済の実力にそって上がるのが一番いのでしょうから、いま日本の実体経済が健全に進んでいるところで、金融正常化に動くのにはいい時期と言えそうです。

 この辺りは、まったくこのtnlaboの判断ですから、日銀や安倍政権がどう動くかは全くわかりません。来年4月という黒田総裁の任期と関係があるかないかといった憶測もあるようですが、トランプさんとイエレンさんの関係の連想でしょうか。

 単なるマスコミ報道で終わるのか、現実の動きにつながるのか、今のところでは何ともわかりませんが、本来、金融は「実体経済に役立つためのもの」というのがその存在意義ですから、 物価でもなく
、株価でもなく 実態経済を最重視した金融政策をとることがベストでしょう。

 ただ、その場合、最も警戒すべきは円レートでしょう。円高は、日本の実体経済を直撃します。
 アメリカもEUも、金融正常化(金利引き上げ)に動き始めているところですから、舵取りは微妙でしょうが、大きな失敗の無いように日本丸の舵取りをお願いしたいところです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿